
アスファルトのリサイクルとは?
私たちが毎日何気なく走っている道路の多くはアスファルトでできています。老朽化や補修工事で剥がされた舗装をそのまま捨ててしまうと、大量の廃棄物と資源の無駄につながります。そこで注目されているのが、廃アスファルトをできるだけ再利用するリサイクルの仕組みです。限りある資源を守り、環境負荷を減らしながら道路を維持していくために、アスファルトリサイクルは欠かせない取り組みになっているのです。
アスファルトのリサイクルとは、古くなった舗装を回収し、砕いて再利用できる形に加工し、新しい道路や駐車場などに再び使うことを指します。日本では再生利用率が高く、私たちは気付かないうちに、再生アスファルトの上を日常的に走っているといわれています。
アスファルトがリサイクルされる流れ
アスファルトがどのような工程を経て生まれ変わるのかを知ると、リサイクルのイメージがぐっとつかみやすくなります。専門用語をできるだけ避けて、代表的な流れをやさしく整理してみましょう。
回収から破砕までの工程
まず、老朽化した道路や駐車場の表面を専用の重機で削り取る作業から始まります。剥がされたアスファルトは「廃アスファルト」と呼ばれ、ダンプカーなどで中間処理施設へ運ばれます。施設に到着した廃アスファルトは専用の機械で細かく砕かれ、砂利のような状態にまで破砕されます。
こうしてできた材料は「再生骨材」と呼ばれます。再生骨材は、そのままではまだ道路には使えませんが、この段階でリサイクルの準備が整った状態です。不要なゴミや異物も取り除かれており、後の工程でも安定した品質を保てるように管理されています。
再生アスファルトとして生まれ変わる
破砕された再生骨材は、新しい砂利や砂、アスファルトと一緒に加熱・混合され、再生アスファルトとして生まれ変わります。配合の割合や温度はきちんと管理されており、強度や耐久性の基準を満たすように製造されています。そのため、一般道や駐車場などさまざまな場所で安心して使われています。
再生アスファルトは、新材だけでつくる場合と比べて使用する原材料を減らせるのが大きな特徴です。資源の節約だけでなく、製造や運搬にかかるエネルギー削減にもつながり、環境にやさしい舗装方法として注目されています。
アスファルトリサイクルのメリット
アスファルトのリサイクルには、環境面だけでなく、コスト面や社会的な評価といった多くのメリットがあります。主なポイントを見ていきます。
環境負荷の軽減につながる
アスファルトをリサイクルすることで、新たに砕石を採掘したり、アスファルトを精製したりする量を減らすことができます。これにより、原材料の採取に伴う自然環境への影響や、製造時に発生する二酸化炭素の排出量を抑えられます。また、廃アスファルトをそのまま廃棄する場合と比べて、最終処分場に運び込む量も減らせるため、廃棄物削減にもつながります。
コストを抑えた道路維持ができる
リサイクルされたアスファルトを活用することで、新材だけを使うよりも材料費を抑えやすくなります。道路や駐車場の整備・補修は自治体や企業にとって大きなコストがかかる工事ですが、リサイクルを取り入れることで長期的な費用負担を軽減できる可能性があります。
さらに、資源を有効活用する姿勢は、企業や自治体のイメージアップにもつながります。舗装修繕の情報発信を行う際に、「1500文字/月2」のように定期的なコラムを掲載し、リサイクルへの取り組みを分かりやすく紹介するケースも増えつつあります。
私たちにできることと今後の展望
アスファルトのリサイクルは主に専門の事業者や自治体が中心となって進めていますが、私たち一般の生活者にもできることがあります。身の回りの道路工事や駐車場工事に目を向け、「環境に配慮した方法で工事をしているのか」と関心を持つだけでも、資源循環を意識するきっかけになります。
たとえば、自宅や店舗の駐車場を舗装し直すときに、リサイクル材を積極的に活用している施工会社かどうかを相談してみるのも一つの方法です。環境に配慮した工事を選ぶ人が増えれば、リサイクル技術を導入する企業も増え、結果的に地域全体の循環型社会づくりが進んでいくでしょう。
今後は、リサイクル技術のさらなる高度化によって、より高い品質の再生アスファルトが普及していくと考えられます。道路の長寿命化や維持管理コストの削減に加え、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一つとしても、アスファルトリサイクルはますます重要な役割を担っていきます。暮らしを支える道路の裏側にあるリサイクルの仕組みに目を向け、持続可能な社会について考えてみてください。
